分節運動ができる=インナーマッスルが働いている証拠

ロールアップ練習ではなく“リグレッション”の重要性
こんにちは。霧島市で理学療法士として、ピラティスや運動療法を通じて「痛みの根本改善」を目指すサポートをしています、佐多です。
Sata studioではピラティスを中心としたパーソナルトレーニングを、霧島未来キッズ(KMK)では子どもたちに多様な運動経験を提供し、脳と身体を育てる活動を行っています。
【分節運動とは?】
分節運動(セグメンタルムーブメント)とは、背骨をひとつずつ順に動かせることを指します。
ロールアップやロールダウンで「背中が一気にドスンと落ちる」のではなく、背骨が“解凍されるように”滑らかに動く状態が理想です。
これは単なる技術ではなく、インナーマッスルが正しく働いている証拠なのです。
【ロールアップ練習の落とし穴】
ロールアップができないと、つい「できるまで練習しよう」と思いがちです。
もちろん反復練習をすれば、ある程度はできるようになります。
しかしそれは「技術的に慣れただけ」であり、背骨の分節性やインナーマッスルの働きが改善されたとは限りません。
当スタジオが目指すのは「ロールアップが上手になること」ではなく、分節運動を獲得することです。
【できない理由を探す → リグレッションへ】
ロールアップができないのには理由があります。
- 背骨の分節性が乏しい
- 腹筋群のタイミングがずれている
- 股関節や胸椎の可動域が制限されている
- 呼吸のパターンが崩れている
これらの原因を探り、**レベルを少し下げてリグレッション(段階的な後退運動)**を行うことが重要です。
リフォーマーやタワーを用いたサポートつきエクササイズで分節性を引き出し、背骨をひとつずつ動かす感覚を養います。
そのうえで再びロールアップに戻ると…
「気づいたら自然にできるようになった!」という体験につながります。
【トニック筋とフェージック筋】
分節運動が可能かどうかは、筋肉の役割分担とも関係します。
- トニック筋(インナーマッスル) … 姿勢保持や微細な制御を担う
- フェージック筋(アウターマッスル) … 大きな動きを生み出す
インナーが機能していなければ、アウターが代わりに動作を主導し、背骨は“まとめて”動いてしまいます。
その結果、腰痛や動作不良のリスクが高まるのです。
【反射速度の重要性】
分節運動はゆっくりの練習で養いますが、日常生活やスポーツでは一瞬の反応が求められます。
理想的なインナーマッスルは、0.1秒単位で先に働き、関節を安定化させる反射的システムです。
だからこそ、分節運動を「ただの練習」にせず、反射的な速さも視野に入れたトレーニングが必要です。
【まとめ】
ロールアップはゴールではなく、分節運動を評価するための手段です。
できないからと繰り返すのではなく、原因を探り、リグレッションを経て分節性を育てることが大切。
分節運動ができるようになる=インナーマッスルが働き、身体が本来の機能を取り戻している証拠です。
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