呼吸とPUSH能力の意外なつながり

肩甲骨が安定しない原因は“呼吸”にあった?
【自己紹介】
こんにちは。霧島市で理学療法士として、ピラティスや運動療法を通じて「痛みの根本改善」を目指すサポートをしています、佐多です。
Sata studioではピラティスを中心としたパーソナルトレーニングを、霧島未来キッズ(KMK)では子どもたちに多様な運動経験を提供し、脳と身体を育てる活動を行っています。
【PUSH動作に必要な“肩甲骨の安定”】
腕立て伏せやボールを押し出す動き、日常生活での押す動作。
これらの「PUSH能力」には、肩甲骨の安定性が欠かせません。
肩甲骨は肋骨の上を滑るように動くため、
その土台となる**胸郭(肋骨まわり)**が安定していなければ、腕の力を十分に発揮できません。
【呼吸が肩甲骨の安定を左右する理由】
胸郭は呼吸のたびに形を変えます。
吸うと広がり、吐くと閉じる――この繰り返しは肩甲骨の位置や動きに直結します。
- 吸気:肋骨が外旋し、肩甲骨は内転方向へ
- 呼気:肋骨が内旋し、肩甲骨は外転方向へ
この動きが自然にできていれば、胸郭は安定し、肩甲骨も適切な位置でPUSH動作を支えられます。
【吸気優位タイプの落とし穴】
現代人に多い「吸気優位タイプ」は、肋骨が開いたまま固定されやすく、
肩甲骨も内転位に引かれた状態が続きます。
この状態では、
- 腕立て伏せで肘が伸びきらない
- ボールを押し出すと肩が詰まる
- 日常の押す動作で首や肩が疲れやすい
といったパフォーマンス低下や不調が出やすくなります。
【呼吸改善がPUSH力を引き出す】
PUSH能力を高めるには、まず胸郭と肩甲骨の土台作りが必要です。
そのために有効なのが「呼気を伴う安定化エクササイズ」です。
🔽 例:呼気×PUSHの組み合わせ
- 四つ這いで背中を少し丸め、呼気で肋骨を内旋させ肩甲骨を外転
- 吸気で背中(後縦隔)が拡がる感覚を感じつつ、肩甲骨が自然に内転するのを意識
- 再び呼気で胸郭を安定させ、その位置からゆっくりPUSH動作へ
この「呼気で外転→吸気で内転」のサイクルが、肩甲骨の正しい動きと押す力を引き出します。
【まとめ:呼吸は肩のパフォーマンスの土台】
PUSH動作に伸び悩む人や肩に不調がある人は、
筋力よりも先に呼吸パターンの改善を見直すべきかもしれません。
肩甲骨は胸郭という“土台”の上で動く。
呼吸はその土台を安定させるためのスイッチ。
呼吸とPUSH能力――一見関係なさそうな2つが、実は密接につながっています。
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